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保育園は社会に開かれた育ちの場

2018.09.28

保育園は『子どもをあずけるところ』というイメージが強いかもしれません。もちろんお預かりするのだけれども、まず子どもにとっては『育ちの場』です。そして職員にとっても子どもとのかかわりの中で様々なことに気づき、自分を高めていく育ちの場です。かかわりが人を育てる、そこに焦点あてて考えると、保育園は様々な人たちが『かかわり育ちあう場』であると考えることができます。

例えば、小学校の先生を目指している人が就学前の子どもの育ちを実感をもって知ることは、教諭になってからの自分のキャリアに生かせる重要な経験となるでしょう。そのような志のある人が小学校教諭になる前に2~3年、武者修行のつもりで子どもたちと生活を共にしてみたいと考える場合に、保育園はその場を提供できます。それは志願者の個人的な意向という枠組みを超えて、保育園が『社会に開かれた育ちの場』として活用される可能性の一端を示しています。保育園が備えている社会的機能はそのような広がりを持っているのです。

同様のことが小児科医、児童心理カウンセラー、ソーシャルワーカー、療育関係職など『育ち』にかかわる職業を目指す方にも言えるでしょう。保育園を最終的な就職先と考えずに、自分が志望するキャリアに向けての土台作りの一環として保育園を短期的に活用するということができると思います。そのような活動は想像以上に志望者と現場の両者にとって大きな意義をもたらすはずです。なぜなら一つは社会的なかかわりの幅が広がることで両者の『育ち』が促されますし、もう一つはこのような取り組みが未来社会にとっての社会的ネットワーク作りの基礎となるからです。このように保育園は社会的にもっと広く、もっと有意義に生かすことができると考えています。人の育ちだけでなく社会の育ち場として保育園は大きな可能性を備えています。

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