保護者の方へ
ご理解いただきたいこと
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下記の内容は在園児の保護者だけでなく、これから子どもの入園を考える保護者の方にご理解いただきたいことです。特に大久保保育園への入園をご検討されている方は、入園前の保育園見学の際などにご確認の上、ご判断いただきますようお願い致します。
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【ケガや発熱について】
軽いケガや発熱は子どもが育つ過程にはつきものです。子どもは活発に動き回る中でぶつかったり転んだりを
繰り返しながら体の動きを身につけ成長していきます。
子どもは体調を安定させる力がまだ弱く、熱を出したり治まったりを繰り返ししながらその機能を高め発達していきます。
ですから軽度のケガや発熱は成長の過程で当然起こることで、それは子育てにおいて不可避なものです。
また保育園という集団の中にいますから、他児との関わりで思わぬトラブルが起こることもあります。
私たちは大切なお子さまをお預かりしている責務を心に留め、保育環境の安全性や子どもの体調管理には細心の注意を払い、それを継続することに努めています。
子どもの育ちの過程で起こる軽微なケガや体調の崩れは、誰もが通る凸凹道であるとご理解ください。 -
【安全性とは何か】
この世に完璧な安全地帯はありません。安全は危険を察知する能力とそれを回避する能力によって確保されるものです。
子どもは乳児から幼児へ成長するとともに何が危険でどうすれば安全かという判断力が徐々についてきます。
加えて自分をコントロールする力も身についてきます。この両方の力を獲得していくことが安全性を最も高める方法です。
逆に過剰な安全の導入は、子どもの危険を察知し回避する能力を発達させる機会を減らすことになります。
子どもは経験から学び、判断力を獲得するからです。どんなに無鉄砲に動き回っても安全で、どんなに強く
ぶつかってもケガをせず、どんなに手荒く扱っても壊れない物に囲まれた環境は、子どもにとって最も危険な
保育環境です。
なぜなら危険に気づく能力も、危険を避ける身体と心のコントロール能力も身につかないからです。子どもに
適切な安全性とは、一般社会が提供している安全性と子どもがその発達段階で獲得していく能力との折り合いの中で判断し、整えられるべきものです。
また、子どもが自分で危険に気づき、判断し、回避するという力は、小さなチャレンジの積み重ねによって
養われます。
自分の経験に照らし合わせることで推測し、やってみることで、そこにまた新たな経験が蓄積され、
予測の精度を高めていくからです。子どもが危険回避能力を身につけるためには、小さな危険と背中合わせの
適切なチャレンジに取り組む必要があるのです。
もちろん子どもが発達から考えて不適切なほどの危険性をはらんだ試みを行おうとしている場合には、大人が
介入し止める必要があります。
しかしそうでない場合は、ある程度のリスクを背負いながらの挑戦的遊びはむしろ大切で、少し失敗した場合の軽微なケガや痛みは、危険性に対する子どもの判断力と身体能力を自分のものにする上で不可欠な経験であるとのご理解をお願い致します。 -
【見守りとほったらかし】
主体性や自発性を身につけるためには、子どもが自由に活動を行うことが重要です。
大人が全てを教えてしまうのではなく、子どもが自分で気づき、考え、判断する機会を保障する必要が
あります。
子どもが自由遊びをしているときに、保育者は子どもをほったらかしているのではありません。子どもがどんな活動に興味をもち、どのように取り組み、どのような育ちへつながっているかなど、子どもの姿を受け止めながら見守っているのです。
それは決して監視員のように子どもの行動の全てを確認するような姿勢ではありません。
見守りとは多くの事柄を子どもに任せ、その活動での学びを期待しながら待つという姿勢で保育に取り組むことです。ですから保育者が実際にその場面を見ていたかどうかという視点だけで判断できることではなく、そこに見守りとしての関わりをもっていたかが重要になります。この意味で「見守り」と「ほったらかし」は全く違うのです。 -
【保育方針と利用者の要求について】
私たちは国際条約である「子どもの権利条約 」や厚生労働省の「保育所保育指針」に則って保育方針を掲げています。それは世界と日本の永年に渡る保育実践の蓄積と保育・幼児教育研究の専門性によって裏打ちされたものであることを意味します。
その性質上、保育方針は利用者の要求により変更するようなものではなく、賛同していただくものです。
もちろん私たちの保育方針に沿う方向でのご要望には喜んで対応いたします。
しかし保育方針に反する内容の要求や指示に対しては、子どもの健やかな育ちを支える職務を担う立場として、お応えすることができない場合があります。
私たちは国際条約である「子どもの権利条約」や厚生労働省の「保育所保育指針」に則って保育方針を掲げています。それは世界と日本の永年に渡る保育実践の蓄積と保育・幼児教育研究の専門性によって裏打ちされたものであることを意味します。