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2017年9月18日
(絵本)『ラチとらいおん』
[マレーク・ベロニカ 文・絵/とくながやすとも 訳(1965)『ラチとらいおん』福音館書店]
臆病になってしまうことって誰にでもあります。でも子どもにとっては、ときどきそうなる、って思えるほどの経験がないものだから、ずっと自分はそのままなんじゃないかと不安なってしまうのです。ラチは子犬も暗い部屋も、友だちだってこわいのに、いったいどうなっていくのでしょう。ある日、出てきた小さなライオンは、そんなラチの心の支えになりました。このライオンが面白いのは、お守りのように無根拠な存在ではなくて、一緒になって自分を鍛えることに付き合ってくれるところです。子どもが欲しているのは、依存できる支援ではなく、自立のための手伝いなんですね。保育はこのライオンみたいでなくっちゃ。絵も控え目で、お話しと行き来しながら味わえる適切な調和があります。子どもに読んであげながら、大人だって自分のかかわりをふり返ってしまうんじゃないかな。