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  • 2022年1月25日

    火起こしからの焼き芋

     

     火起こしから始めて、焼き芋をしました。写真にある火起こし道具は「舞きり式」と言って、中心の棒に通したひもを横板につなげ、それを上下に動かすことで「きり」のように回転させ、摩擦熱で火をつける道具です。

     人間が他の動物と違うところはいくつもありますが、その中でも「火を使う」というのは重要な点で、それによって大きな進化へとつながったと考えられています。生命の誕生に欠かせない太陽も「火」だけれども、それを自分たちの手で作り出し、手中に収めたという達成が火起こし道具だし、そう考えると人類は何だかとんでもない発明をしでかしたのだという気がしてきます。

     しかし近年は火を見ることも少なくなりました。家はオール電化だし、タバコを吸う人も少なくなっています。マッチを擦ることもほとんどないでしょう。電子レンジが普及し、料理が火と関係しているということも意識から少し遠ざかっている気がします。「とろ火で20分」とか「強火でサッと炒めて」という言葉がいつまで使われるのかも分かりません。パッと燃え上がるような好奇心はすぐに消えてしまいますが、ジワジワ「とろ火」のような好奇心は長続きするし、それこそ本物だ、という保育における表現もいつまで通用するか少し気がかりでもあります。

     火と人類の関係は、今後も変化していくでしょう。しかし火についての経験は子どもの育ちには大切なものであり続けると思います。煙が目にしみる経験、できたての焼き芋の熱さ、そしておいしさ、たき火に近づけば暖かく、何だか不思議と心までが引き寄せられる感覚など、どこかで子どもの人間としての成長につながっていると感じます。子どもの笑顔がそれを伝えてくれています。

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