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2021年9月29日
フウセンカズラの種は3個入り
フウセンカズラは、誰かが息を入れて膨らましたかのような実をつけます。その外皮は薄くて張りがあって軽く、本当に紙風船のようです。よく見ると、3枚の薄皮が貼り合わされて球状になっています。その風船は、はじめは黄緑色だけど徐々に茶色がかってきて、枯れたような感じになると、その中には種が出来上がっています。
紙風船のようなその実の皮をそっと破ると、中は3室に分かれていて、それぞれに1つずつ黒い種が入っています。分解してみたけど、写真で分かるかな。
この「3個入り」という仕組みが不思議で仕方ありません。袋に3つずつ入っているなんて、贈り物みたいです。植物は無数の種をつけるイメージがあって、そもそも数える対象とは思えないものです。沢山の種をまき散らすことが目的のようだからです。その中のいくつかが、多くの偶然が重なって芽を出し、またその中のいくつかが奇跡的な偶然が重なって実ができるまで成長する、という生命を次世代へつなぐための途方もなく荒っぽい「数打ちゃ当たる式」の仕組みが一般的だからです。
その無数バラマキ式の存続方式が一般的な植物界にあって、種が風船のような「袋」に入っていて、しかもキッチリと「3個入り」だなんて、その精一杯の「大切にされている感」が愛おしくなります。
そして「3個」というのも不思議です。葉っぱを考えても、基本は左右対称だし、そうであるが故にこういう自然界のものは偶数でできているイメージがあります。動物だって4足歩行か2足歩行だし、タコの足は8本、昆虫の脚は6本というように。でもクローバーは「三つ葉」ですね。そうか、クローバーみたいに思えば3枚の薄皮が貼り合わせれて風船になり、種も3個となるのか。
秋の風に揺れるフウセンカズラが、好奇心が広がる世界へ連れて行ってくれました。集めた種は来年植えるために取っておきます。